エンターテイメントの利便化


今や、自宅の暖かいコタツの中でみかんを食べながらスマホを片手にショッピングや読書、ゲーム、映画まで楽しめるのが当たり前になってきました。

 

タッチパネルだって、十年ほど前までは一般的に広く普及はしていませんでした。

沢山の研究者の方々の努力もあっての事ですが、科学の進歩って本当に早いんだなぁ・・・としみじみ思います。

 

しかし、手軽にエンターテイメントを楽しめる事が可能になった今、この利便性に比例して自己統制力が求められている気がします。

 

一昔前は、わざわざ特定の場所へ行かないと楽しめなかったからこそ、時間や費用などの制限があり、いろんな意味で楽しめる範囲が限られていました。

不便だからこそ、お金も時間も命も大切にする事を身をもって学ぶ機会が与えられていた。

今ではそれらの制限が縮小し、自由度が高くなりました。

制限がなくなった今、「どこまでするのか」がより個人に委ねられています。


例えば、本当はするべき事があるにもかかわらず、止められなくて貴重な時間を費やしてしまう・・とか。

この場合、これを繰り返して慢性化してしまうと、「ホントはしなきゃいけない事が出来ていない自分」へのフラストレーションが知らないうちに溜まってしまい、精神的な不調や体への影響も十分あり得るんだと思います。

 

みんな、自由・便利という事だけに注目しがちですが、本来「自由」と「自己統制」は表裏一体であると思います。その二つを自分のものに出来て初めて本当の意味での「自由」と言えるんだと思います。

自己統制力のない自由は子供のわがままと同じです。

 

 

今の科学の利便性の恩恵を受けている子供たちが、自己統制力欠如のまま大人になっていくことを想像すると恐ろしいです。昔の人たちが不便さの中で学んできたことが、今の人間にはその機会が与えられていないんです。

科学の進歩にはそれらを使いこなす心の発達が必要不可欠になってきます。

子供を育てている母親として肌で危惧を感じています。

科学の進歩と同じだけ、個々の心の発達を促す取り組みが必要となってきました。

 

個々の家庭だけではこの教育は中々難しく、広く社会での取り組みが必要なのではないかと思います。